なぜ腰痛になるのか? 腰痛のメカニズム

腰痛の女性

腰は身体の要とも言われる部位。上半身と下半身の間にあり、どちらからの負荷もかかる部分です。
それだけに慢性的な痛みの原因にもなりやすく、当院へ来られている方も、腰痛は多くの方が感じている症状の1つです。
今回は腰痛のメカニズムについてお伝えさせていただきます。

腰の骨ってどんな骨?

いわゆる腰の骨、正式には「腰椎」と言います。
腰椎については以前掲載したブログ「背骨とあばら骨 身体の歪みとの関係とは」 「側弯症と首痛・腰痛との関係」でもご説明しておりますが、まだ読まれていない方もいらっしゃると思いますのでここで復習をしておきましょう。

脊柱(背骨)=頸椎+胸椎+腰椎(腰の骨)
腰椎は、頚椎、胸椎とともに脊柱を形成しています。

腰椎とその周辺の組織イラスト

腰椎は5つの「椎骨」と、クッションの役割をする「椎間板」が積み木のように交互に重なっています。
一つ一つの椎骨は後ろで「椎間関節」という関節で繋がっています。

腰椎は、頚椎や胸椎よりも大きくできており、脊柱全体を支え安定性を維持する働きを持っています。
椎間板は、やわらかいゲル状の組織で、上下からの衝撃を和らげる働きをしています。
またその柔らかさから、腰椎の動きに合わせて形を変え、腰椎の動きを滑らかにするような役割も果たしています。

 

腰痛はなぜ起きる?

原因は様々で、生活習慣・既往歴・日常の癖等の影響を受けますが、今回はどなたにも当てはまる身体の構造上から考えられる原因にスポットをあてていきます。

1.神経が多くある
腰部の組織付近には多くの神経があるため、そこを刺激してしまう事で腰痛になりやすくなります。


2.内臓面との接点が多い
腰部付近には腎臓・肝臓・膵臓・腸などの内臓があります。
暴飲暴食やストレスなどで内臓に負荷がかかると、腰部の筋肉が固くなります。
腰部の筋肉が固くなると腰椎の可動も悪くなり、また周辺の神経にも負担がかってきます。
これにより腰痛になりやすくなり、重だるさを感じる場合もあります。

3.腰椎は動きがほとんどない
腰椎自体の可動域は、回旋(ひねり)で5°、伸展(反る)で15°、側屈(左右に倒す)で15°、屈曲(丸める)で40°程度と言われています。
多少個人差はありますが、基本的にはみなさんに共通していることです。
運動やケアをしていない方は、さらに可動域は狭くなるとも考えられています。
特にひねりや反りなど、可動域が少ない動作で可動域以上に動かした場合、腰を痛める可能性は高くなります。

野球やゴルフのフルスイング、何故腰を痛めないのか?不思議ですね。ゴルフのフルスイングイラスト
その答えは腰椎以外の関節で回しているためです。
その動きの多くが、胸椎や股関節で起きており、無理に腰を回そうとすると腰を痛めることがあります。

補足ですが身体の運動は関節で起こります。
例えば、膝の曲げ伸ばしは膝関節が動くことで起り、腕の上下は肩関節が動くことで可能となります。
同様に、椎間関節は腰の動きを作っています。

椎間関節が動くことで腰部は自由に曲がったり捻ったりをすることができています。
椎間関節は、腰椎がスムーズに動くように、一方で必要以上に動かないように制限もかけています。
腰椎の運動はこの脊椎関節と椎間板によって可能となっているのです。

腰痛の意外な理由

腰痛は腰部の筋肉が硬い人ほどなりやすいと思われがちですが、実はそうではない場合もあります。
腰部に限らず一般的には、身体は硬い人の方が怪我をしやすく、運動や日常生活、様々な場面で筋肉や関節を痛めやすくなります。

柔軟性向上の為、ヨガやストレッチに励んでいる方も多いと思います。
しかし、実は柔らかければ柔らかいほど良いというもわけでもないのです。
過度に柔らかすぎる事で、かえって筋肉や関節への負担が増し腰痛の原因になる場合もあります。

前述しましたが、腰椎は大きく、脊柱を支える役割を果たしていて動きは少ない骨です。
椎間関節は腰椎がスムーズに動くように、一方で必要以上に動かないように制限をかけています。
これらの組織のまわりには筋肉があり、腰部を形成している組織や筋肉全体で、適度な可動域を保っています。
万一可動域を超えるような動きが起きた場合でも、筋肉の力で制御をしています。
しかし、筋肉が柔らかすぎる事で、その制御ができずに痛めてしまう事もあります。
特に日常的に筋力トレーニングを全く行ってない人の危険度は高くなります。

身体の構造と腰痛の原因についてご理解いただけましたでしょうか。

これらの原因にプラスして、一人一人の生活習慣や既往歴、さらには日常の癖からの歪み等が腰痛を引き起こしています。
まずは、思い当たる部分に気をつけることを推奨いたします。
それでも症状の改善が見られない場合や、自分で判断をするのは難しいと思われる方は是非一度当院にご相談ください。

負担箇所を見極め施術することによって、動きが改善されたり、徐々に痛みを軽減させていくことができます。

慢性痛治療院ARAI

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