膝痛の要因 変形性膝関節症になる前に

膝の痛みを感じている人

少しずつ春の気配が感じられる今日この頃。
心地よい日差しの下での散歩は良い運動になり、良い睡眠にもつながります。
一方で、歩行時の膝の痛みが気になり外出に不安を感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回はそんな気になる膝痛についてお伝えしていきます。

多くの人が感じている膝の痛み


膝の痛みを訴える方は非常に多く、厚生労働省の調査によると、国内で膝痛の自覚症状を有する方は1,000万人、潜在的に症状をお持ちの方は3,000万人と言われています。
また、膝痛の症状がある方は男性より女性のほうが2倍ほど多く、60歳以上の女性では80%近くの方が発症している疾患です。

痛みがなくても膝の動きに左右差を感じる方や、体操やストレッチをしているときに膝の固さを感じる方なども、膝痛につながる可能性があると言えるでしょう。
さらにそこから予防やケアをせずにいると、変形性膝関節症のリスクは高まっていきます。

膝痛になりやすい方の特徴


膝のアライメント異常
膝関節の負荷が不均衡になることで関節の動きが悪くなり、膝周辺の筋緊張につながります。
O脚やX脚などが代表的な例です。

②体重の増加による膝への負担
体重の増加に対してそれを支える膝まわりの筋力が弱い場合に膝関節への負担が強くなります。

③過去のケガや事故の影響
膝自体に過去のケガや手術歴などがある場合に膝関節の動きがスムーズでなくなり、
筋緊張につながってしまいます。

これらは膝痛や変形性膝関節症のリスクに関するエビデンスとしても示されています。
また、私の施術経験上では疲労やストレス、自律神経の乱れなど膝痛とは関係がないように思われることが要因となっているケースもあります。

参考文献
変形性膝関節症における疾患の進行と機能低下における膝のアライメントの役割 – PubMed
高齢者における変形性膝関節症の危険因子に関する現在の証拠:系統的レビューとメタアナリシス-PubMed

セルフケアで膝痛予防


膝痛を放置することは生活の質を低下させてしまい、未来の健康寿命にまで影響を及ぼしかねません。
普段から予防の意識をつけていくことが膝痛にならない最大の近道となります。

・膝痛に関連する筋肉や関節にアプローチして膝への負担を減らす
膝の違和感の原因の1つとして、膝の動きに関連する他の関節が動きづらい状態になっている事が考えられます。
これらの筋緊張をとる事で膝の動きが良くなり負担軽減につながります。

①股関節


適当な高さの台(膝から太もも位の高さ)に足をのせます。
太ももの前側を手のひらで押さえ
台に乗せた足にゆっくりと重心をかけていきます。

 

 

 

 

 

太もも前側の筋緊張が緩和され、股関節の可動域がひろがり、
膝が曲げやすくなります。
その状態で膝の曲げ伸ばし動作を行っていきます。

 

 

 

 

②足関節

適当な高さの台(膝から太もも位の高さ)に足をのせます。
両手でアキレス腱を挟み込むように押さえます。
台に乗せた足にゆっくりと重心をかけていきます。

 

 

 

 

ふくらはぎ下部の筋緊張が緩和され、足首の可動域がひろがり、
膝が曲げやすくなります。
その状態で膝の曲げ伸ばし動作を行っていきます。

 

 

 

 

・膝関節を安定させる筋力を強化して膝への負担を減らす
膝関節は非常に不安定な関節ですが、周辺の筋肉を安定させることでスムーズに曲げ伸ばしをする事ができます。
これらの筋力が低下すると膝への負担が大きくなりますので

膝関節を安定させる筋肉を鍛えておくことが大切です。

①太もも前側の筋肉(大腿四頭筋)


仰向けになり、片足をまっすぐに伸ばします。

伸ばしたほうの足を、反動をつけないように注意しながら
ゆっくり上げ下げします。
足を下げた時に床につけないようにします。
足を上げ、下げした時に
太ももの前側が固くなって
いる感覚があればOKです。
余裕のある方は、足を下げた時に3秒ほどキープします。

 

②お尻外側の筋肉(中殿筋)

 

横向きになり、上になった方のかかとを
身体の延長線より若干後ろになる位置に伸ばします。

上になったほうの足を反動をつけないように注意しながら、
ゆっくり上げ下げします。
足を下げた時につま先が床につかないようにします。。
骨盤の外側、お尻の上部が固くなっている感覚があればOKです。
余裕のある方は、足を上げた時に3秒ほどキープします。

 

 

参考文献:大腿四頭筋の強化運動は、変形性膝関節症の患者の痛み、機能、生活の質を改善するのに効果的です – PubMed
膝蓋大腿痛症候群の女性における股関節外転筋と側方旋筋の強化の短期的影響:ランダム化比較臨床試験 – PubMed

変形性膝関節症になる前に


膝に痛みや違和感を感じていると、年齢を重ねるにつれ「歳のせいだから」とあきらめ、徐々に歩行頻度が少なくなり、日常生活でも膝をかばった姿勢をされる方が増えてきます。
日常的に膝をかばった姿勢を続けていると膝痛の悪化や腰痛等にもつながります。

病院や整形外科で「変形性膝関節症」と診断された後では、改善までに時間がかかるケースが多く、治療やセルフケアをあきらめてしまう方もいらっしゃいます。

膝痛は、変形性膝関節症になる前の早期の対策が有効的です。
当院では膝の動きや痛みの箇所を確認した上で、全身の歪みや膝痛の原因になっている個所を施術していきます。

膝の痛みや動きが悪くなっている部分が膝の内側なのか外側なのか、あるいは前、後ろでも施術のアプローチ方法が変わってきます。
気になる方は悪化する前に一度ご相談下さい。

慢性痛治療院ARAI

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