気になる股関節の悩み 【股関節痛の原因②】

股関節痛を感じている人の画像

前回は変形性股関節症についてお伝えしましたが、診断名がついていない股関節の痛みをもっている方も多くいます。
例えば、睡眠中や起床時に股関節が痛む方や、長時間同じ姿勢からの動き出しで痛む方、歩いていると気になる方など。
また、太ももやおしり、骨盤付近に痛みのある方が、股関節にも痛みを感じているような場合もあります。
今回はそんな気になる股関節の痛みについて、お伝えしていきたいと思います。

 股関節が痛くなる方の特徴

近年、高齢化の影響もあり、 股関節の痛みを訴えて医療機関を受診する方が増加傾向にあるという調査結果があります。
しかし、私の臨床上では、高齢の方でもスポーツ選手でもあまり身体を動かさない20代の方でも、股関節の痛みを訴える方はいらっしゃいます。
股関節は年齢によって多少変化(変形)が起こることはあります。
しかし、年齢が高い事と痛みがあるという事は必ずしもイコールではないと言えます。

では股関節痛になりやすい方はどんな特徴があるのでしょうか。

①前かがみで歩行する方
前かがみで歩行をすることによって太ももを上げる動作が少なくなります。
その結果、股関節の可動範囲が狭くなってしまい、股関節に負担がかかり痛みにつながります。

②荷物を片側にかける方
股関節にかかる負荷は体重の3〜4倍と言われています。
片側に荷物を持つことなどにより、股関節の片側に必要以上の負荷がかかることで、筋緊張が起こりやすくなります。

股関節と周辺の筋肉
股関節の屈曲は、
股関節の前側の筋肉が固くなりやすく、
おしり側の筋力は弱まりやすい

③長時間の座り姿勢が多い方
長時間の座り姿勢は、股関節を屈曲した状態が長く続くことになり、股関節まわりの筋肉を固めてしまいます。
これに加え、猫背姿勢になると股関節の屈曲をさらに強める事になります。
この状態は、特に股関節の前側の筋肉が固くなりやすく、おしり側の筋力は弱まります。
前後のバランスが悪くなり、結果として股関節を痛めることにつながります。

④既往歴がある方
例えば右膝を痛めたことがある方は右膝をかばうように身体が歪んできます。
身体が歪むことで左右どちらかの股関節に負担がかかる場合があります。
片側への負担が強くなると、股関節の痛みへつながることになります。

股関節に痛みや違和感が出る理由

前章では日常の姿勢やちょっとした癖などが、股関節の痛みにつながる事をお伝えしましたが、痛みや違和感が出るのには、その部位ごとに理由があります。
股関節に痛みが発生するのは、股関節の構造による影響が大きいと考えられます。

①股関節の可動域が大きい
股関節は、曲げたり伸ばしたり回したりと、可動域の幅が大きい関節です。
太ももをしっかりあげて歩くことや、しっかりとしゃがみ込む行為は、どちらも股関節の可動域を目一杯使っている動きです。
しかし、日常生活ではあまり起きない動きでもあり、股関節の可動域を大きく活用することは少ないのではないかと思います。
必要のない動きだからと股関節を使わずにいると、その可動域も徐々に狭くなっていき筋緊張にもつながり、痛みという症状としてあらわれる事があります。

②股関節まわりには神経が多い
股関節まわりには腰付近からのびている神経が多く分布しています。
更に、この神経は足先までつながっています。
このため、腰の状態や足の状態の影響で、股関節に痛みなどの症状が起きている場合があります。
また、過去の腰痛や足部痛が股関節痛を引き起こしているケースも少なくありません。

③姿勢の影響を受けやすい
股関節は屈曲という膝を抱え込む動きが90度以上あります。
そのため、腰や背中を丸めるような姿勢をとると、股関節もそれに比例して屈曲します。
この状態が続くと、股関節は屈曲した状態のまま固くなっていき、股関節本来の動きができにくくなることで、
股関節まわりの筋緊張や身体の歪みへとつながり、痛みや違和感がでるようになってきます。

股関節の痛みや違和感の改善

ここまで、股関節痛になりやすい方の特徴や、股関節痛が起きる理由などをお伝えしましたが、日常生活のちょっとしたクセなどが股関節痛の要因となっているケースも多いことがおわかりいただけたでしょうか。

日常生活の中に原因があるのであれば、普段の生活習慣を少し見直していただくだけでも、症状の改善につながるという事にもなります。
歩くときに太ももを上げてみる、片側で荷物を持たずにリュックなどを使う、腰を丸めず姿勢を正して座るなどもその1つです。

オフィス業務などで長時間座っている方は一時間に一回くらいは立ち上がり、脚を後ろに上げる動きをしてみてください。
お尻まわりの筋力が使われて股関節の前側が伸びるようになってきます。
また、立った状態で股関節の前側を伸ばしてあげると、前かがみによる股関節の負担も軽減していきます。

職場でもできる股関節のストレッチ
股関節のストレッチ
①お尻に力を入れて、脚を後ろにあげます
 5秒キープ
 反動はつけないように注意しましょう
②股関節の前側をしっかり伸ばしましょう

さらに、仕事終わりなどにはスクワットのような動きをしてみて下さい。
関節運動により動きが良くなることや、お尻まわりの筋力が使われることで、股関節の可動域が改善されます。

スクワット
スクワット
太ももとふくらはぎが90度になるような状態で行います
膝が内側にはいらないようにかかとに力をいれます

股関節は上半身や足からの影響を受けやすい部位でもあり、痛みの原因も様々です。ここでは股関節の動きをスムーズにすることで、痛みや症状のケアにつなげる方法をお伝えいたします。

 

股関節痛を訴える方は全国に約500万人と言われていますが、股関節だけが痛いという方はもしかしたら少ないかもしれません。
当院にも腰痛や膝痛で来られた方が、問診や検査で、過去に股関節痛もあったことが判明することが多いです。
また、股関節に痛みがある方の整形外科受診者数は多い一方で、違和感程度の場合は受診率が低い傾向にあるのも事実です。
違和感程度だからと放置せず、早期に原因を見つける事は重要です。

身体がなぜ痛いのかがわからずに、治療院や整体院に行こうか悩んでいる方も多くいるかと思います。
しかし、私は少しでも早く悩みを解決することが日常生活を快適にしてくれる事につながると考えております。
痛みや気になる症状がある方は、放置せず、ぜひ一度ご相談いただければと思います。

慢性痛治療院ARAI

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