指の使いすぎにご用心。日常生活での予防と対策

手や腕のしびれを感じている人

秋から冬に向けての季節の変わり目はお身体の気になる症状が出てくる時期でもあります。
指に痛みがあったり、こわばりがあり、思うように動かしにくいという症状が出ている方も多く見受けられます。
指は日常のあらゆる場面で使っていて、どれか1本でも不調があると日常生活の上でも不便な事が増えてきます。
箸が持ちにくい、ボタンをうまくかけられない、ペットボトルのフタが開けにくい、などなど。
今回はそんな指の不調についてお伝えしていきます。

指の不調が出やすい方はどんな人?

頻繁にスマホやパソコンを使う方、指先を多く使う仕事やピアノ等を日常的に行っている方はもちろんですが、テニスやゴルフなどグリップを握ることで腕から指への力が入る方なども含め、指を酷使している方は指の不調が出やすくなります。
ただ、同じように指を酷使している方でも症状に違いがあったり、症状が出ないケースもあります。
それは、原因が指の使い過ぎだけではないからです。
指の使い過ぎに加え以下のような事も原因の一部と考えられます。


①腕の筋肉にねじれが出ている
腕の筋肉は手や指につながっています。
腕がねじれてきて動きが悪くなると、腕や指に負担がかかり動きもスムーズではなくなります。

②肩や肘、手首の関節が固くなり動きが悪くなっている
例えば瓶のふたを回して開ける時、指と同時に手首や肘も使うことで少ない力でも開ける事ができます。
しかし指だけで回そうとすると開けにくく、より多くの力を使います。

このように、指につながる関節が上手く動かないと、その動きをカバーしようとして、指への負担が増してくるのです。

肩こりを感じるようになる、腕の疲れを感じているなどの自覚症状がある方は黄色信号が出ています。
このような状態は指への負担も起きている証拠です。

日常でできる予防方法

日常的に指を酷使していると感じている方は、指の不調につながりやすくなりますので、そうなる前に予防を心がける事も重要です。
ここからは、普段から気をつけたいことやケア方法をご紹介します。

①猫背姿勢にならない
猫背姿勢になると、肩が前に入り込みやすくなり、同時に腕が内側にねじれていきます。
腕がねじれた状態が続くと、腕の筋肉や関節は固まりやすくなり、その結果、指につながる筋や腱の動きもスムーズさを失っていきます。
また、パソコン作業などで手の甲が上に向いている状態は、腕にねじれが起きている状態です。
その上パソコン作業中は猫背姿勢になっているケースが多く、指への負担が大きくなります。

②指を休ませる、もしくは動きを制限させる
指を使いすぎることで指の腱は炎症が起きやすくなりますので、休ませてあげることは重要になります。
痛みのある間は、パソコンなど指を使う作業は極力避けましょう。

また指の動きを少し制限してあげると使いすぎの状況を回避することができます。
指の痛みが出る動きを、テープなどを使うことで余計な動きを制限をしてあげて、負担をかけないようにしましょう。

③腕や肩の緊張をとる
指の動きが悪いということは、指にある腱の動きがスムーズではないということになります。
肩から腕の筋肉は手首を通り腱になり指を構成していますので、肩や腕の筋肉が緊張していることで指に負担がかかります。
肩や腕のケアで指への負担を軽減し腱の動きを改善させることが出来ます。

 

指が痛い時に疑うべき症状とは?

 ①ばね指
使いすぎによる指の腱鞘炎です。
手の指は腱が腱鞘(トンネル)の中を往復するように移動することで、自由に指の曲げ伸ばしができるようになっています。
この指の曲げ伸ばしなど
で負担がかかり、腱もしくは腱鞘が腫れて、腱の通り道が狭まくなってしまい、腱と腱鞘が擦れて通りにくくなる事で痛みを感じる症状です。
最初は少し動かしにくいかもという状態から年月をかけて腫れがひどくなり症状が進行していきます。

②ドケルバン病
こちらも腱鞘炎の一つで、手首の母指側にある腱鞘とそこを通過する腱に炎症が起こります。
腱鞘の部分で腱の動きがスムーズでなくなり、親指を動かすと手首の親指側に痛みが出る症状です。

③母指の関節症
指を動かしたり力を入れた時に、親指の付け根(手首のしわから指幅1本程度上の部分で骨が出ている所)に痛みが出る症状です。
親指は、他の指よりも動く範囲が広く、使用頻度も高くなるため、軟骨がすり減ったり、亜脱臼を起こしやすい場所です。

 ④へバーデン結節、ブシャール結節
どの指にも起きる症状で、指の第一関節が赤く腫れたり、コブのように膨れるなどが起き、指を動かすと痛みを感じる場合もあります。
同じ症状で第二関節に起きるのをブシャール結節と言います。

指の症状を悪化させないための対策

上記の疾患の共通点は、指の使いすぎ、そして指の血行不良も関わっています。
そこをいかに防ぐことができるかが重要です。
また、痛みや症状が出ている状態でも、
その後の進行を遅らせたり防いだりできる可能性が高くなります。

①指以外の可動域を獲得する
肩や背中、肩甲骨など、指につながる部位の動きが制限されていると、指がその部分の動きをカバーしようとしてしまい、結果的に指の使いすぎにつながります。
身体の歪みや身体の均整を整えることで酷使している指への負担を分散してくれます。

 ②ストレスフリーな生活習慣を心がける
女性ホルモン減少の影響もあり、特に閉経後の女性は指の症状が出やすくなることが多いです。
それと同時に、
日常生活でのストレスはホルモンバランスの崩れに大きく関わってきます。
ストレスがかかることで、抗ストレスホルモンを出している副腎が疲労を起こし、筋・腱・関節の柔軟性を維持するホルモンにも影響がでてしまい、指に反応が出てくることもあります。
ストレスの軽減によるホルモンバランスの安定は、指の不調改善にも大切です。

③身体の循環不良
指や手には腱という線維が通っていて、これにより指の曲げ伸ばしなどができています。
この腱の動きがスムーズでなくなることで 腱鞘炎やばね指、変形性関節症になりやすくなります。
筋肉や腱には血液が流れています。
血液は身体に栄養や酸素を運ぶ役割、また老廃物を流す働きもあります。
血行不良になることで身体の老廃物が流れにくくなり、循環不良を起こし、結果として腱のスムーズさを失うことへとつながります。
食生活の乱れなどにより胃腸に負担がかかると栄養の吸収が悪くなり血液の質が悪くなったり、腎臓や肝臓での老廃物排出が滞ってくると血液循環が悪くなり、結果として指への影響も出るようになります。

指や関節の変形が見られる方は、60歳以上の場合約90%も存在していると言われており、加齢も原因の1つとされる症状です。しかし、近年では若年化の傾向も見受けられます。

スマホやパソコンが生活の一部になり、素早く業務をこなす事も求められる時代。
スマホの本体を小指で支えながら、同じ手の親指で操作をしていたり、
パソコンではショートカットキーの多用、早いタイピングや連打で指を激しく動かしたりしている。
このような日常ありがちな些細な事でも指の不調につながります。


今回お伝えしたことを参考に、指への関心を高めていただき、予防と対策を知っていただければと思います。
なんだか指が気になる方、すでに症状が出ていて辛いと感じている方、是非一度ご相談ください。

慢性痛治療院ARAI

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