繰り返してしまう肘痛・腕痛・・・慢性化しやすい理由とは

肘や腕の痛みを感じている画像

肘や腕の痛みは仕事や家事、スポーツをする上で非常に辛いことになります。
以前は野球やテニスなどのスポーツで発症することが多かった肘や腕の症状ですが、近年ではパソコンやスマホなどの使い過ぎで発症することも多いです。
今はたまに痛いくらいだからと放置していると、激しい痛みを繰り返すようになり、慢性化してしまう事もあります。
慢性化してしまった場合は、どんなに肘や腕の筋肉をほぐしても改善されないケースが多いです。
悪化させないためにも、発症要因やケア方法、予防法などを知っておくことは大切です。
今回は肘や腕の痛みについてお伝えしていきます。

慢性化しやすい肘や腕の症状

肘や腕には筋肉や腱や靭帯があり、使いすぎて負担がかかると炎症を起こしてしまう可能性が高いです。
ここでは慢性化しやすい代表的な症状をいくつかご説明いたします。

①腱鞘炎
親指の付け根に痛みが発生する症状ですが、慢性化すると前腕にも症状が出てくることがあります。
確認方法としては、親指以外の四指で親指を包み、手首を小指側に曲げます。
これで親指の付け根に痛みがある場合は腱鞘炎の疑いが強いです。

②上腕骨外側上顆炎(テニス肘、ゴルフ肘)
肘の外側や前腕に痛みが発生する症状です。
前腕に力を入れたり、拳を握りながら手首を手の甲側に反らすと肘外側に痛みが出ます。

③上腕骨内側上顆炎(野球肘、内側側副靭帯損傷、離断性骨軟骨炎)
主に肘の内側に痛みが発症しやすく、外側にも症状が出ることがあります。
肘の曲げ伸ばしがスムーズにできていないことが多いです。


肘や腕の痛みが慢性化しやすい要因

では何故、肘や腕の症状は慢性化しやすいのでしょうか?
主な要因として以下のような事が考えられます。

親指や人指し指に力が入りすぎている
5本の指がある中で、一番力が入りやすく使い慣れているのが、親指と人差し指ではないでしょうか。
使う頻度が高いうえに親指と人差し指に力が入り続けていると、肘や腕の筋緊張が常態化し、なかなか痛みが引かないという事につながります。

手首や肩が上手く使えていない
例えば荷物を持ち上げようとした際、手首や肘が曲がり、それと連動して肩が後ろに引け、肩甲骨が背中の中央に寄ってくる。
この一連の動きがスムーズにできていれば、肘や腕に負担がかかることはありません。
しかし手首や肩などが動きづらい場合は肘や腕にだけに負担がかかるため、使いすぎが起こり、痛みがなかなか引かないという事につながってきます。

心理的要因の影響
レントゲンやMRIでの画像診断で骨の変形や筋肉、靭帯の断裂といった痛みの原因が視認できず、いわゆる原因不明の状態を【非特異的】と言います。肘や腕の痛みはこの非特異的に分類されることが多くあります。
原因がわからないとなると当然心理的ストレスは増えていきます。
さらには「すぐに治るだろう」と思っていた痛みがなかなか改善しないことで自分の症状は快方に向かっているのか?
この痛みは無くならないのでは?
という不安感が、さらに症状を改善しにくくしているというケースも見受けられます。
多くの研究でも肘や腕の痛みの慢性化の要因として、心理的な部分が大きいということが報告されています。

参考文献
非特異的な腕の痛みと心理的要素
非特異的患者と特異的患者の心的ストレスを比較

肘や腕の症状改善とケアについて

肘や腕の痛みは軽減するまでに時間がかかることが多いです。
急性期は痛みが強く物を掴めなかったり、指や手首を動かすだけで痛みが出る場合があります。
まずはロキソニンテープなど炎症効果のあるものを使用したり、なるべく負担をかけないようにあげる事で痛みが出ないようにしながら、炎症を抑えていく必要があります。
ここで無理をしてしまうと炎症がなかなか収まらず、痛みが長期化してしまいます。
肘や腕に負担をかけている原因はひとそれぞれですが、基本的には肘関節が固まっているか、その周辺の筋肉が緊張してしまっているため、そこに関連する関節や筋肉をケアしていくことが望ましいです。

ここでは簡単なケア方法をご紹介します。
ケアをすることで酷使している肘や腕への負担を分散してくれます。
動かす速度や回数に制限はありません。
ご自身がやりやすく、筋緊張がとれてきて少し楽に感じたり、気持ちよく感じるような感覚になってくると良いと思います。
万一動かして痛みが出るような事があれば無理をせず、肘や腕が痛い場合は手首だけを動かすなど、調整をしてください。

・手首を抑えながら、手首と肘を動かすケア
手首を抑えることで手首の可動域が広がり、肘や腕の筋緊張をやわらげます

手首の可動域を広げて筋緊張を改善させるケア方法①手首を親指と他の四指で把持します(親指に力は入れない)
②この状態から手首と肘を同時に曲げていきます
③次に曲げた手首と肘を伸ばしていきます
この動きを繰り返します

 

 

 

・肋骨を抑えながら、肘を動かすケア
肩や肋骨の可動域を広げて、肘や腕の筋緊張をやわらげます

肩や肋骨の可動域を広げて筋緊張を改善させるケア方法①一度腕をあげて肋骨の位置を確認します
②肋骨の位置を押さえたまま腕を下げます
③ご自身の楽な角度まで腕をあげ、その位置で肘を起点に腕の曲げ伸ばしをします

 

 

 

・肘を抑えながら、肘を動かすケア
肘の可動域を広げることによって、肘や腕の筋緊張をやわらげます


肘の可動域を広げて筋緊張を改善させるケア方法①肘の内側を四指で抑えます(少し皮膚が凹むくらいの強さ)
②そのまま肘を曲げたり、伸ばしたりしていきます

 

 

 

 

ご紹介したケア方法は、急性期ではある程度の負担の軽減につなげることができ、慢性期では痛みを軽減する効果があります。
また肘や腕を酷使している方は、痛みにつながらないよう、予防の一環として行っていただくと良いと思います。
特に急性期の場合は無理をせず、痛みが強くならない程度の強度で行うようにしてください。

なぜ肘や腕の症状は繰り返してしまうのか

慢性化しやすい肘や腕の痛みですが、実は急性の痛みを繰り返しているといったケースも多く見受けられます。
何故、肘や腕は急性の痛みを繰り返しやすいのでしょうか。

例えば経験者の多い腰痛と比較をしてみます。
腰痛は多少の痛みや違和感を感じたとしても翌日もしくは数日で痛みや違和感が気にならなくなる場合が多いです。
これは背中や股関節、膝などの部位が腰の働きを助け、代役として機能するからです。
この働きにより痛めた腰をかばいながら過ごすことができるため、症状が落ち着くという事です。
ただ、逆に言うとダムが決壊するほどの痛みになってはじめて、状態の悪さに気づくといった状況になる可能性も高くなるので注意が必要です。

一方で、肘や腕は痛みを感じていても、身体の他の部位が代わりに働き、肘や腕をかばうといった事が難しい箇所と言えます。
そのため、日頃から肘や腕を使う機会が多い方は、痛みを感じていても、休ませる事ができず、使い続けてしまう傾向にあります。加えて、肘や腕の先には手指といった、細かい作業を担う部位につながっているため、ますます酷使をする事にもなります。
症状が少し良くなっても、またすぐにぶり返してしまうのはその為です。
これは、足首が捻挫状態であるのに走り続けているようなものです。

肘や腕に痛みの症状が出たら、まずは医療機関で状態を診てもらった上で、強い痛みがある間は安静をベースに炎症反応を鎮静化させていくことが大切です。

肘や腕は治りが遅い部位の1つです。
特に日常生活で酷使しやすい環境にある方は、前述のケア方法なども参考に、積極的に予防にも取り組んで頂きたいと思います。
慢性化しやすい要因でも触れましたが、親指と人差し指に力が入りすぎていると、痛みの症状につながりやすくなります。
日頃から薬指や小指も使うように意識し、物を掴むときは指先に力を入れず、5本の指でしっかり持ち上げることも予防として有効です。
痛みの症状が出たらまずは安静が第一ですが、急性期の痛みが治まれば、肘や腕にかかっている負担を取り除く治療を行うことで、症状の改善をはかることができます。

当院では肘や腕に症状がある場合でも、全身の歪みや負担箇所を見極めて施術を行います。
もしかしたらあなたの肘や腕への負担が出ている意外な原因があるかもしれません。
現在症状がある方や気になる方はぜひ一度ご相談いただければと思います。

慢性痛治療院ARAI

【東銀座院】〒104-0061 東京都中央区銀座3丁目11−19(5F)
【所 沢 院】 〒359-0026    埼玉県所沢市牛沼415−6
電話番号:070-8999-9140

施術WEB予約 | Coubic

お問合せ・ご予約 mailフォーム