腰痛は日本人の5人に1人が持っていると言われている症状です。
その中でもぎっくり腰は聞きなじみもあり、みなさんも耳にしたり、経験したことがあるという方もいるかと思います。
しかし意外と「ぎっくり腰」をきちんと理解している方は少ないようです。
今回はそんなぎっくり腰についてお伝えしていきたいと思います。
ぎっくり腰の痛み方とは?
聞きなじみのある「ぎっくり腰」、正式には「急性腰痛症」もしくは「腰部捻挫」と診断されます。
重いものを持つ事が多い方や、身体の向きを頻繁に変えることが多い方がなりやすい症状です。
ぎっくり腰というと、重いものを持ち上げようとした瞬間に、突然襲ってくる腰の痛みなどを想像する方が多いですが、実は負担がかかっている部位によって痛み方が変わることがあります。
その痛みの具合は様々で痛みはあるものの会社に行く事ができる方や、会社に行く事もできないくらい痛みがある方、また急に痛くなるケースもあれば、じわじわと痛くなるケースもあります。
腰や骨盤まわりには靭帯、筋肉、関節、椎間板があり、それらは腰や骨盤の安定を保つ役割をしています。
しかし腰への過度な動きが加わると、どこかを傷つけてしまうことになります。
ぎっくり腰は足首の捻挫に近い状態になるため、原因の負担箇所や痛みへの耐性によっては腰が重いというような症状では済まないくらい痛みが出る事もあります。
症状軽減のプロセス
個人差もありますが、だいたい6〜12時間後に炎症のピークがくることが多いです。
動けるようであれば、医療機関で診てもらう方が良いでしょう。
医療機関に行く事が難しい場合は、呼吸がしやすく身体が少しでも楽に感じる体勢で、安静にすることが望ましいです。
痛みが辛い場合は、痛み止めやロキソニンテープを使用しても良いでしょう。
痛みが出てから12〜24時間程度経過後は、患部以外の末端を温めるなどの方法で、身体の血流を良くしてあげる事が良いです。
引き続き楽な体勢を継続し、腰以外の動きを良くするようなホームケアで痛みの修復が早くなることを意識しましょう。
腰だけを動かすような体操や腰へ直接アプローチするような刺激は余計に痛くなる可能性もありますので、注意が必要です。
動画で簡単なケア方法をご紹介しますので、参考にしてみてください。
その後は、専門の治療院などで見てもらう事をおすすめします。
電気治療や固定器具の使用による治療方法もありますが、身体の癖や長年の負担箇所などを治療していくことで、痛みの改善が早くなります。
状態によっては簡単には痛みがとれない場合もありますが、継続することで腰への負担は確実に軽減し、血流も良くなり、さらに炎症を治そうとする身体の自然治癒力が高まり、再発の可能性が低くなります。
セルフケアや専門の治療院などで見てもらわずに過ごした方のうち、1年以内に再発された方は3人に1人とも言われています。
その他の急性腰痛とその症状
ここで、その他の急性腰痛について簡単にご説明します。
これらの腰痛は、ぎっくり腰との併発や、ぎっくり腰を放置する事で移行してしまう可能性もある症状ですので注意が必要です。
①腰椎椎間板ヘルニア
腰を丸めた姿勢で生活している方になりやすく、特に20~30代の世代で発症が多くみられます。
症状としては腰の痛みと同時におしりや足先が痺れる症状が出てくることが多いです。
②腰椎分離症
10代の成長期やスポーツをしている方に多く、腰の疲労骨折と言われることもあります。
症状は、 おしりや太ももの外側の痛みやだるさが出てきやすいです。
③腰椎すべり症
40代で多く、腰椎分離症の進行で発症することがあります。腰を反る動作が多い方はなりやすく、朝の起き上がりで腰に痛みがでる、歩行中に腰が痛くなるなどの症状が出やすいです。
④腰部脊柱管狭窄症
40代以降に多く、脊柱管が靭帯の肥厚や椎体変形により圧迫されることでおこります。
長時間の歩行でおしりやもも裏にだるさやしびれなどの症状が出ることが多いです。
ぎっくり腰はどの年代でもなる可能性のある症状で、特に重いものを持つことが多い方や、身体の向きを頻繁に変えることが多い方がなりやすいと言われています。
しかしそれだけではなく、腰に負担がかかるような身体の癖があったり、もともと腰に負担がかかりやすいような身体の歪みがある方は、ぎっくり腰になる可能性が高くなります。
さらにそこに加え、生活習慣の乱れやストレスなどが続き、身体の耐性が許容範囲を超えると痛みとして現れます。
実際に当院にぎっくり腰で来院された方の中には、「今まで腰は一度も気にしてなかった」といった方もいらっしゃいます。
ぎっくり腰に一度もなったことがない方でも、何度もなっている方でも、正しい知識を持つことで不安を解消していただき、安心して日常生活が送れるようになっていただきたいと思っております。
ぎっくり腰が気になる方や、現在腰に痛みがある方はぜひ一度ご相談ください。