起床時に首が痛い!といった状況や動かしづらくなる経験は、多くの方が一度は経験したことがあるのではないでしょうか?
ひどい時には首が全く動かせず仕事や家事など、日常生活にも支障が出てしまうことも。
今回はそんな「寝違え」の要因と対処法についてお伝えします。
寝違えとは
起床時に首が痛くなったり、動かしづらくなる症状。
医療機関では「急性頚部痛」や「急性疼痛性頚部拘縮(きゅうせいとうつうせいけいぶこうしゅく)」と診断されることが多いです。
睡眠中から起床時に発症し、起床後すぐに痛みが起こることもあれば、すぐに痛みがなくても違和感があり、日中にだんだんと痛くなることもあります。
また、電車の中でウトウトと寝てしまった後に痛みが出たような場合も、寝違えと同じことが起こっていることが多いです。
寝違えの場合、画像診断では異常が見られないのが一般的です。
そのため、何故起こってしまうのか、何故なかなか痛みが引かないのかと不安になる方も多く見受けられます。
寝違えが起こりやすい要因とは
日常生活のちょっとした変化が「寝違え」につながる場合があります。
例えば次のような状況が考えられます。
①普段よりも睡眠時間が短くなっていたり、睡眠が浅いなどで疲れがとれていない
身体は常に自律神経という無意識に働く神経の影響を受けています。
自律神経は、交感神経(アクティブ状態)と副交感神経(リラックス状態)という2つの異なる働きをする神経で構成されていますが、
様々な事情でいつもより忙しくなったり、慣れないことが多くなったなどにより、このバランスが悪くなることがあります。
自律神経のバランスが悪くなると血管の収縮と弛緩がうまくいかず、筋肉が緊張しやすくなり、寝違えの症状につながることがあります。
②食べ過ぎや飲みすぎなどの影響で内臓に負担がかかっている
首の神経は内臓とのつながりもあり、胃や肝臓に不調が起こると首への動きや筋肉にも影響が出てくる可能性が高くなります。
食べ過ぎや飲みすぎ等で内臓に負担がかかると、寝違えにつながることがあります。
③普段と違う寝具や寝姿勢による影響
普段と違う寝具や寝環境は、寝返りの回数低下や首の不良姿勢を引き起こす事があります。
首の安定感がなくなることで、首の神経や筋肉、関節に負担がかかり寝違えにつながることがあります。
④腕や手の使いすぎによる血行不良
腕や手の使いすぎや関節のねじれなどで、首や肩への血行が阻害され、首の筋緊張につながり、寝違えにつながることがあります。
⑤背中や体幹などの可動域不足による首の使いすぎ
首の可動域は横を向く動きで約60°、かしげる動きで約40°、上を向く動きで約50°、下を向く動きで約60°となっています。
首だけではこの可動域を超えた動きはできないため、真上や真横を向く時には、背骨や体幹を使いながら首を動かしているのです。
しかし、日常生活の様々な要因で背骨や体幹まわりの動きが悪くなると、首を正常可動域よりも動かす必要が出てきます。
その結果、使いすぎによる負担が増え、首の痛みが出やすい状態になっていきます。
寝違えと共通点のある症状
実は、寝違えと同じような首痛が活動中に起こる事もあります。
急な振り向き動作、長時間スマホなどで下を向いていた状態から顔を上げた時、スマホを肩と耳で挟み通話をする行為など。
このような活動中に起こる急な首痛の発生要因も、寝違えと共通点が多いです。
また、寝違えのような症状は、背中や肩甲骨付近に起こることもあります。
その痛み方は、違和感を感じる程度から動かすことも出来ないほどまで個人差があります。
このような痛みも、臨床上は寝違えの1つととらえています。
急な首の痛みを予防する
寝違えや活動中の急な首痛は、筋や靭帯などに炎症が起きている状態です。
痛みがある間は過度な動きを避け患部を安静に保ちましょう。
無意識のうちに、痛みのある個所を直接押したり、揉んだりしたくなってしまうかもしれませんが、炎症を広げてしまう可能性もあるので避けた方が良いです。
また、痛みが強い場合は、ロキソニンテープなど炎症効果のあるものを使用したり、首以外を温めるようにして全身の血流を良くしてあげると痛みの緩和につながりやすいです。
その後はセルフケアや、専門の治療院・専門の整体院で見てもらう事をおすすめします。
元々首に負担がかかりやすいような身体の歪みがある方は、寝違えや急な首痛になる可能性が高くなります。
首の不調が出やすい原因を整えてあげることで症状の改善が早くなり、再発を防ぐことも可能になります。
寝違えは、季節の変わり目や環境の変化による目に見えない負担が症状となって現れるなど、身体から黄色信号が出ていることが考えられます。
また、寝違えや首痛に何度もなっている方は、身体の耐性が許容範囲を超えている可能性もあるかもしれません。
今一度お身体のケア方法を見直していただき、快適な日常生活をお過ごしいただきたいと思っております。
その上で、歪みによる不調や長年の癖による首への負担については、原因箇所を見ていく必要があります。
気になる方は是非一度ご相談いただければと思います。