側弯症と首痛・腰痛との関係

背骨の歪み・側弯症

「身体に歪みがありますね」脊柱と胸郭の各部位
指摘されたことはあっても、その原因や弊害などが良くわからない。
このギモンにお答えするため、前回のブログでは「背骨」と「あばら骨」の仕組みについてお伝えさせていただきました。

前回のブログでもご説明しましたが、
脊柱(背骨)=頸椎+胸椎+腰椎
胸郭=胸骨+肋骨(あばら骨)+胸椎

胸椎は両方に所属しており、これらが密接な関係にあることがご理解いただけたかと思います。

身体が歪むという事

日常生活の中での何気ない動作、足を組んで座る、猫背姿勢、頬杖をつく、荷物を持つ手がいつも同じ側等々。
このような動作の積み重ねで、少しずつ脊柱は歪んでいきます。

更に、このような日常生活でのクセや姿勢の悪さから、まわりにある筋肉が本来の形で使われなくなり、特定の筋肉のみが衰えたり、凝り固まったりしてくることでも歪みを助長します。

その他にも、身体のどこかに痛みがありそれをかばうような動作、過去の怪我や病気による影響など様々な要因から歪みが起きてきます。

脊柱や肋骨が歪むと起こる症状

脊柱が歪むと関連性の深い肋骨も一緒に歪みます。
更に、脊柱や肋骨が歪む事で様々な所に影響がおよび、以下のような症状が起こりやすくなります。

①内臓の不調や呼吸のしにくさ
脊柱と肋骨に囲われた中には肺や心臓、その他の内臓があるため、歪みが起こるとこれらの器官に負担がかかり、不調の原因につながります。
また肋骨は呼吸を補助する役割を持っているため、歪むと呼吸のしにくさにもつながります。

②首痛や腰痛の悪化
脊柱の上部は首部分の骨(頸椎)、下部は腰部分の骨(腰椎)で形成されているため、歪む事で不調が現れます。
更に脊柱には神経が通っているため、痛みや辛さが悪化する場合があります。

③他関節の痛み
脊柱が歪む事で動きが制限されるため、他の関節を使って活動をすることになります。
その結果、本来の活動以外にも使われることになった股関節や足、肩甲骨などに負担がかかります。
また、肋骨は歪む事でその動きが悪くなり、肩甲骨との連動が制限されます。
結果、肩関節の動きも悪くなっていく等、他関節への痛みにつながります。

側弯症とは

脊柱の本来の形は後ろから見るとまっすぐですが、これが左右に湾曲した状態になる症状を側弯症と言います。
側弯症はねじれを伴う場合もあります。
後ろから見た際、肩の高さ、肩甲骨の位置、腰の高さなどに左右差が現れます。
側弯症は主に以下に分けられます。

【機能的側弯症】
背骨自体に原因はなく、原因を取り除くと元に戻ったり、症状が軽減される側弯症です。
原因は様々ですが、姿勢の悪さ・身体のどこかに痛みがありそれをかばい歪みがでる(疼痛回避)・身体に痛みはないが不具合がある、既往歴があるなどをなんとなくかばうことで歪む(代償性)・筋力の脆弱性・骨盤の歪みなどがあげられます。

【構築性側弯症】
背骨そのものに変形が生じる側弯症です。
原因としては遺伝や栄養障害、加齢などがあげられます

構築性側弯症のうち原因のわからないものを突発性側弯症といい、発生頻度が一番高くなっています。
突発性側弯症と診断された場合でも、程度にもよりますが、施術による症状改善が見込めます。


側弯症は脊柱の歪みから起きていますので、前述の通り呼吸や内臓機能への影響、首痛や腰痛の悪化にもつながります。
思春期に突発性側彎症と診断を受けた方が、成年になり首痛や腰痛を訴えるケースもあります。
まずは左右のバランスを整えることが重要です。
少々の歪みでは不調は感じませんが、少しの歪みが次の歪みを引き起こし、悪循環につながりますので、早めの対処が必要です。

側弯症の方の施術前後の状態首痛の症状があり来院された患者様ですが、脊柱に歪みが確認できたため施術を行いました。
施術後、左右の肩の高さのバランスが改善されました。

ただの腰痛首痛と思われている方でも、脊柱の歪みが原因になっている場合があります。
左右の歪みを整えることで様々な不調が改善しやすくなりますので、気になる方は一度ご相談下さい。

 

慢性痛治療院ARAI

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