頚椎椎間板ヘルニア 症状軽減後のメンテナンスの重要性

首痛に悩む女性

先日、頚椎椎間板ヘルニアで手術を経験された事のある方から、一旦落ち着いていた首の痛みや痺れが再発してしまいましたがどうすれば良いですか?という質問を頂きました。
今回は、頚椎椎間板ヘルニアの症状や一旦軽減した症状の再発について、お伝えさせていただきます。

首の骨ってどんな骨?

いわゆる首の骨、正式には「頚椎」と言います。

頚椎については以前掲載したブログ「背骨とあばら骨 身体の歪みとの関係とは」 「側弯症と首痛・腰痛との関係」でもご説明しておりますが、まだ読まれていない方もいらっしゃると思いますのでここで復習をしておきましょう。

脊柱(背骨)=頸椎(首の骨)+胸椎+腰椎
頚椎は、胸椎、腰椎とともに脊柱を形成しています。

頚椎とその周辺の組織イラスト

頚椎は7つの「椎骨」と、クッションの役割をする「椎間板」が積み木のように交互に重なっています。
頚椎最下部の椎骨と胸椎最上部の椎骨との間にも椎間板があります。

なぜ頚椎椎間板ヘルニアになるの?

「慢性的な首・肩の凝り 頚椎椎間板ヘルニアの前兆にご注意を」の回でも少し触れましたが、頸椎椎間板ヘルニアは椎骨間にある椎間板が、飛び出し神経や脊髄を圧迫することで起こります。

首や肩甲部、腕などの痛みやしびれが主な症状ですが、飛び出した椎間板が、神経を圧迫をしているのか脊髄を圧迫しているのか?その部位によっても症状が異なります。
ボタンがかけづらくなる、筋力低下、歩行障害、排尿や排便などに支障がでるようなケースもあります。

では何故椎間板が飛び出してしまうのか?
様々な要因がありますが

・日常の姿勢の悪さや癖からくる首の歪み
 仕事中の姿勢が原因になるケースが多く、デスクワークや工場でのモノづくり、建築関係などの業種で多く見られます
・枕の影響による首への負担
 高い枕を使う事で顎が引ける、首付近に枕をあてることで顎があがる。
 柔らか過ぎや固すぎの枕を使う事でも首が不安定になるなど、首に負担がかかります
・その他
 遺伝的な椎間板の弱さや事故の衝撃による歪み、スポーツによる影響などの場合もあります頚椎椎間板ヘルニアになりやすい姿勢のイラスト

多くに共通しているのは、あごが上がったり、下を向いている状態の継続で、下部頚椎(5~7番)に許容範囲を超えた負担をかけてしまっていることが原因となっています。
補足ですが、下部頚椎とは首をまっすぐにした状態で、首の後ろ側の一番出っ張っている骨に人差し指を合わせた状態で、人差し指から薬指があたるまでの範囲とほぼ一致します。

頚椎椎間板ヘルニアの治療

治療方法は大きく分けて手術療法と保存療法があります。
①手術療法
・レーザーや内視鏡などで飛び出している椎間板を取り除く方法
・骨同士をボルトなどで固定する方法
などがあります

②保存療法
・注射や投薬、湿布などで痛みをとる方法
・頸椎カラーなどを使い固定する事で負担を軽減し痛みをとる方法
・牽引により負担を軽減する方法
・理学療法士や柔道整復師が手技により、関節の動きを調整したり、こわばっている筋肉をほぐす方法
などがあります

重症度や圧迫している位置(症状の原因になっている部分)によっても治療方法は異なります。
まずは今の状態を見極めるためにも、早期の段階で医師による画像診断が重要です。

医師の治療を受け、急性期が過ぎ痛みが引いてきた場合でも、引き続き日常生活での動作や姿勢に気をつけ、定期的にメンテナンスを行う事で良い状態を維持する事も大切です。

頚椎椎間板ヘルニア、再発してしまったかも・・

冒頭の患者様からの質問にあった再発してしまった場合はどうしたら良いか。
この患者様は手術療法をとられていました。

頚椎椎間板ヘルニアに限らず、さまざまな整形外科手術で、身体への負担を最小限にとどめる手術方法が開発されています。
それでもどんな手術にでも言えるとこですが、症状が出る前の元の自然な状態に戻せるというわけではありませんので、不調が出やすい状態や、患部の機能を補い働いた他の箇所への負担などが痛みなどの症状として現れる可能性は否定できません。

再発かも?と思われるようないつもと違う痛みや辛さが出た場合は、再度医師による診断を受ける事が重要です。
再発を疑うような症状でも、実は無意識のうちに手術部位をかばう態勢が続いた事による後遺症の可能性もあります。
また、出っ張ってしまった椎間板を手術により摘出した事で、椎間板が薄くなり本来の働きをしなくなる。
結果、正常であった手術部位とは別の椎間板に負担がかかり、そこがヘルニアになるようなケースもあります。

手術をされた方もされなかった方も、症状が軽減された良い状態を保つためには、症状が軽減された後も、身体への負担が大きくなるような姿勢や行動に気をつける事や日頃からのメンテナンスも大切です。

また、温める事で痛みなどの症状が軽減されるような方は、再発ではなく、患部をかばう事でまわりの筋肉が固くなってしまっている可能性が高いと思われます。
このような場合も、施術による症状改善が見込まれますので、なかなかご自身でのメンテナンスは難しいと思われる方は是非一度当院にご相談ください。

 

慢性痛治療院ARAI

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